急なテレワーク導入で見えてきた課題について

新型コロナウイルス(CODIV-19)の感染拡大によって、テレワークの導入が進んでいるようです。8割の大手企業は既に実施済み、中小企業でも東京の事業者を中心に実施されているようで、これを機に働き方改革が大きく前進するのではないかと言われています。

その一方で、今回が初めてのテレワーク実施という企業において、いくつかの課題が顕になってきているようです。

  • 情報漏洩のリスク拡大
  • 押印やサイン、紙書類の確認のために出社が必要になる
  • 社員同士のコミュニケーション
  • 派遣社員はテレワークの許可が下りない

等々、確かに課題ではあるのですが、本当に解決できないことばかりなのでしょうか?おそらく、テレワークに必要な環境を整備する前に、急遽実施してしまったことから課題が噴出しているのではないかと思われます。

例えば、情報漏洩のリスクがあるのは、個人のプライベートPCを使わせているからではないでしょうか?企業が管理する端末を貸与し、リモートで端末を管理できればかなりの確率で防げる環境を用意することが可能です。シンクライアント方式であれば、PCにデータを保存させることもありません。更に言えば、普段からユーザーレベルを設定したアクセス制御ができていれば、テレワークに関わらず機密レベルの高いデータには一般社員はアクセスできないはずです。

紙類が必要になることは、日本の商習慣における問題でもありますが、日頃からデータ化することを心掛けていれば、少なくとも紙書類を確認するための出社は不要なのではないでしょうか。押印に関しても既に電子印鑑は出回っていますし、クラウドのサインサービスや契約書サービスも存在します。仮に押印が必要になるとしても、社印以外は本当に必要かどうか精査する余地はあるでしょう。

コミュニケーションが課題になるのでしたら、チャットサービスが有効ではないでしょうか。

そして、なぜ派遣社員のテレワークが不可能なのか?これは企業側が管理できないからでしょうか?それとも情報漏洩防止の観点からでしょうか?前述の通り、企業がリモートから管理できる端末を貸与すれば解決することだと思うのですが・・・

いずれの課題に対しても、G SuiteとChromebookで弊社は解決しています。G Suiteでは部門ごとにセキュリティポリシーを設定できますし、ドキュメントごとにユーザーのアクセス権限を設定することが容易です。Chromebookを貸与し、そこからアクセスしたデータは基本的にGoogleドライブ上に保存されます。端末へのUSBメモリ利用も制限できますし、アクセス可能なサイトもホワイトリストを設定したりすることも可能です。したがって、派遣社員であろうが正社員であろうが、属しているレベルの権限でしかデータにアクセスできず、余計な心配は不要ということになります。(※完全に端末コントロールするにはChrome Enterpriseのライセンス購入が必須です。)

併せて、会社支給のスマートフォンもG Suiteの管理下に置くことが可能なので、会社用プロファイルが端末に生成され、余計なアプリのインストールも制御することが可能できます。

ペーパーレスは世界的な流れでもあり、化石賞の受賞を由としないのであれば、企業だけでなく国や自治体も積極的に実践すべき事案です。弊社ではAdobe社のScanアプリをG Suiteで管理されたスマートフォンにインストールし、スキャンしたデータをGoogleドライブへPDF保存する流れで紙のデータ化を進めています。また、画像類でもGoogleドライブにはOCR機能があるので、かなりの確率で検索可能なテキスト情報に落とすことが可能です。

コミュニケーションツールとしては、Gmailと連動するハングアウトで十二分に実用可能です。複数人でのチャットも可能ですし、ビデオチャットも可能です。ちなみに、Google社がこの緊急時に合わせて全てのプランで7月1日まで無料提供することを発表しています。

ただし、現時点で画像や映像作成などのクリエイティブ系業務においては、未だChromebookで対応できない作業が多々あることは確かです。その場合は、WindowsやMac端末を利用し、ChromeブラウザをG Suiteに登録。ドキュメント類はChromeブラウザ経由で管理し、クリエイティブデータはAdobe社の Creative Cloudを利用してデータ共有、管理をする方向で考えると良さそうです。

東京都では250万円までのテレワーク助成金制度を緊急で設けるなど、日本全体が急速に変化しようとしています。これは単に多様な働き方の推奨に留まらず、テレワークが可能な業務環境=サスティナブルな業務環境がマネジメントされている環境、ということになるため、必然と緊急時の事業継続体制を整えることにも繋がることを付け加えておきたいと思います。